受精卵と着床

受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整える働きのある黄体ホルモンは、受精卵が内膜に着床した場合には、分泌を続けて内膜の状態を保ち、妊娠の継続を助ける働きをします。また、体の水分を保ったり、食欲を増進させたり、基礎体温を上昇させたりする働きも。そのため、黄体ホルモンが多く出ている時期には、むくみやすかったり、たくさん食べてしまつたり、眠くなったりすることがあります。乳腺の発育も促すので、乳房の張りを感じることもあります。体調としてあらわれる作用は、あまりありがたいものではありませんが、黄体ホルモンも、卵胞ホルモンと同じように、女性の体を守ってくれる大切なホルモンです。

 

女性の場合、成長には女性ホルモンの分泌が深くかかわっています。乳幼児期・小児期は、まだ女性ホルモンの分泌がほんのわずか。影響をほとんど受けず、8歳くらいまでは男女で大きな性差は見られません。それが思春期から分泌が盛んになる女性ホルモンとともに、心も体も大きく変化していくのです。自分がどのような状態にいるのか、これからどんな変化をしていくのかを知ることは、ホルモンによって影響を受ける体調をコントロールし、少しでも快適に暮らしていくためのヒントになるはずです。8?18歳くらいまでが思春期といわれる時期。女性ホルモンの分泌が盛んになっていき、体が丸みをおびたり、陰毛が生えたり、月経がはじまったりといった変化が起こります。でも、子宮や卵巣はまだ未熟なため、月経もはじめは不規則。ホルモンの分泌が急激に増加するのについていけず、頭痛やだるさを感じたり、イライラしたり急に元気になったりと、心も体も不安定です。また、成長の早さにはかなり個人差があり、そのことで悩む場合も。だれもがそうした時期を通過していきます。この時期に注意したいのはダイエット。女性ホルモンの働きで20代前半までに一生分の骨がつくられます。栄養不足になれば、十分な骨はできません。月経不順も招き、将来困ったことに。成長に必要な栄養をきちんととることが大切です。