女性ホルモンと排卵

排卵された卵子は、卵巣の上にラッパ状に広がっている卵管采がキャッチし、卵管を通って子宮に運ばれます。卵管の長さはおよそ10センチ。内側に毛のような突起があり、その毛の動く流れで卵子が運ばれるのです。卵子が子宮にいく途中、卵管膨大部で精子に出会うと受精します。この、卵子、精子の通り道である卵管がつまると妊娠しづらくなってしまいます。よく、洋梨を逆さにしたような形といわれる子宮は、通常は鶏の卵ほどの大きさで、前を膀脱、うしろを直腸にはさまれています。子宮の大切な役割は、赤ちゃんをその中で育てること。伸縮性にすぐれた丈夫な筋肉でできていて、中の赤ちゃんが大きくなれば子宮も大きくなり、たては30センチ以上にもなります。子宮の内側は子宮内膜という膜でおおわれていて、受精卵をむかえるころにはその準備のために厚くなり、受精卵がこなければはがれおちます。内膜のこうした働きなどをコントロールしているのが、『女性ホルモン』なのです。

 

ホルモンバランスって本当に大事

 

人間の体は、さまざまなホルモンによってコントロールされています。ホルモンとは血液中に分泌される化学物質で、血液の流れによって全身に運ばれて指令を伝えます。ホルモンという言葉の語源はギリシャ語の「刺激する」「興奮させる」といった意味の言葉です。ホルモンはおもに、脳の視床下部や下垂体、甲状腺、副甲状腺、すい臓、副腎、卵巣などの部位でつくられ分泌されています。成長を促す成長ホルモンや、血液中の糖の代謝を助けるインスリン、激しい運動をすると分泌されるアドレナリンなどをはじめ、人間の体内では100種類以上ものホルモンが分泌されているといわれます。それらは、血液で運ばれて、新陳代謝を促し調整するなど、体の状態を一定に保つためにそれぞれが大切な役割をはたしています。数多くあるホルモンのなかでも、女性にとても大きな影響を与えるのが女性ホルモンです。女性ホルモンとは、卵巣から分泌される2種類のホルモン、卵胞ホルモン(エストログン)と黄体ホルモン(プログステロン)のこと。女性が丸みをおびた体つきになるのも、月経が起こったり、妊娠、出産ができたりするのも、このふたつのホルモンの働きによるものです。卵胞ホルモン、黄体ホルモンは思春期になると分泌がはじまります。そして、年齢や月経の周期で分泌量が変化し、そのわずかな変化で女性の体をコントロールしていきます。ホルモンの分泌が乱れると、体、そして心にも不調を引き起こします。女性が健康でいるためには、女性ホルモンの分泌がきちんと保たれていることがとても大切なのです。